楽しいジョギング教室編  5日目

 
  大阪教育大学市民講座にて
  {5日目}


 さて、本日は先週に行うはずだったコンコーニテストとランニングフォームの撮影を行います。


 <コンコーニテスト>

 コンコーニテストは、400mトラックを一列になって、先頭のペースメーカーについて走ります。ペースは50秒/100mからスタートして100m毎に1〜2秒/100mづつ速くしていきます。そのときの心拍数を記録して速度との関係が一定でなくなったときの速度を見出すのです。


 スピードが速くなってくると当然先頭のペースメーカーについていけなくなります。その時点で勝手に列から抜けるのですが、できたら抜ける前に全速力でもう一段スピードを上げてから抜けるのがよい抜け方です。そこで最大心拍数がわかるからだと思います。

        
     コンコーニテストのスタート                  速度が上がってきた状態

 走り初めからペースメークに失敗、45秒/100mから入ってしまい、そのままスピードを上げずに400mまで走りました。そこから徐々にスピードを上げって行ったのですが、初めから1500m位までは長く感じました。

 30秒/100mを超えるくらいからどんどんとスピードが上がっていく感じがして、あっという間に終わった感じです。

 自分としては「よくそこまでついていったな」という感想です。予想では18〜20秒/100mまでがせいぜいだろうと思っていましたから。しかし、ショックだったのは、最大心拍数でした。走り終わった直後が最大心拍数と思っていましたから、すぐに心拍計を見たのですが、表示は169拍/分を指しており、自分の天井の低さに愕然としたのです。


 
− 最大心拍数と運動能力の関係 -
 
 持続的に運動ができる能力を心拍数と走るスピードの関係としてAT(無酸素性作業閾値)があることを学びました。このATはLTと同じと言われています。

 LT(乳酸性作業閾値)とは筋肉中の乳酸の除去スピードが生成速度についていけなくなる走行スピード(この心拍数に相当する運動強度)の事を意味します。

 このLTは実践ランニング読本 
―ビギナー&市民ランナーのための「理論」と「雑学」からだ読本シリーズ
に載っている以下の式で簡易的に得られます。

 LT強度=(最大心拍数-安静心拍数)×0.75〜0.9+安静時心拍数
      ≒5〜10kmのレースペース

 ずいぶん、引っ張りましたが上の式が示すように最大心拍数が高い人、最大と安静時に差がある人が乳酸を筋肉中に貯まってしまう走行スピードを速くすることができるのです。

 このLTを高めるトレーニングはあるのですが、いくらがんばっても上げられない限界値が最大心拍数ということです。

 ということで自分の限界は心拍数で表すと169だということです。この値を7/24に測定した走スピードと心拍数の関係式にあてはめると私の走スピードの限界値は約21秒/100m、5kmレースで17分30秒が最高とは言っても、コンコーニテストのようにHRTがありますから絶対それより速く走れるわけもなく、ということは今の自分のベスト(2003.3.駿府マラソン)が18分57秒なので、本当に限界に近いところにきているなと思うわけです。

 自分には改善の余地がないのか?と思って愕然としたのです。計算して確かめてみましょう。自分の安静時の心拍数は57ですから

  現在のLT=(169-57)×0.9+57=157.8拍/分

  この強度に匹敵するスピードは289m/分
  5kmに直すと19分30秒です。お、遅い・・・遅くなっている。

 ここで課題が2つみつかりました。

 1.本当にこの最大心拍数は改善できないのか?
 2.ランニング効率を向上させて同じ心拍数でももっと速く走れるようになれないか?

 という課題です。特に2番目の課題はこれからフルマラソンに挑戦する私にとって不可欠ですし、改善する余地はまだまだいっぱいあると思っています。1.の課題は、20歳までの人なら可能だが、44歳を目の前にしたおっさんには無理!という一般論への挑戦になります。


 
 <ランニングフォームのビデオ撮影>

 さて、コンコーニテストの前にランニングフォームをデジタルカメラで撮影してもらいました。

        
    ヨコからのビデオ撮影       後からのビデオ撮影

 ゆっくりと走る姿を横からと後から撮影してもらいフォームをチェックしてもらいます。緊張して走ったので普段どおりのフォームにならなかったかな?ちょっと心配です。


 この後、自由時間で30分ほど構内のジョギングコースを走ってクーリングダウンを行って、本日の授業は終了です。


 − 得意の課外授業 −

 ダウンの後も、忙しい佐藤先生を捕まえて心拍計トレーニングなどで思った疑問点を3つ訊いて見ました。

 1)一定スピードで走っているとだんだん心拍数が上がってくる感じがする。AT以下のゆっくりしたペースでも長く走っていると心拍数とスピードの関係は変わってしまうのですか?

 − Answer −

 30分も過ぎれば同じスピードなら普通の場合、心拍数は上がります。

 その理由は、走り続けると体温が上がる、疲れて姿勢が悪くなる、などの要因により、走行スピード以外の要素により心臓への負荷が増加するからです。
   
 ただし、佐藤先生の場合フルを2時間50分で走りますが、ずーとイーブンペースで走っても心拍数は160〜163で安定しているそうです。

 佐藤先生の経験上、しっかりと走りこんで脚力が付いている場合、冬の時期ならば、長く走っても心拍数は上げらないとおっしゃいます。そのために春から夏にかけてしっかりLSDなどで脚力をつけておく必要があるのです。


 2)AT以下のゆっくりとしたペースで走っても、少しは乳酸が貯まって行ってしまうのですか?

 − Answer −

 ATを超えなければ乳酸は出ないのではなく、安静時でも1mmmol位の乳酸は血中に存在します。
 正確に言うと乳酸は常に生成され、同時に消費されており、消費できなくなるほど生成されるときがATだということです。
 
 有酸素運動ではこの乳酸もエネルギーの源でゆっくりとした運動は血中に溜まった乳酸を消費してくれる役目を果たしてくれるので、激しい運動後にゆっくり走るのは、発生した乳酸をすばやく取り除いて後に疲労を残さないためでもあります。


 3).LSDなどゆっくりとした運動ばかり行って心臓に負担をかけないでいると最大心拍数は落ちてしまいますか?                 

 − Answer −

 判らないが落ちる気がします。
 20歳前の人にLSDを続けてもらえばわかるかもしれませんがそれはほとんど無理でしょう。
 40歳を超えた人に実験しても過労による減退なのかLSDによるものか区別がつかないでしょう。
  
 でも、経験上、最大心拍数は落ちてしまう気がします。


 まだまだ訊きたいことがあったのですが、本日は柏原の花火大会もあり、いろいろと予定があって大変そうでしたのでまたの機会に訊くこととしました。

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