楽しいジョギング教室編 4日目
大阪教育大学市民講座にて
{4日目}
本日は、コンコーニテストでしたが台風10号の影響でトラックでは走れないため大学の校舎内で心拍トレーニングの講義を受けました。
H棟301号室にて
ね、こんな感じで普段のトラックでの講習と打って変わって、学校の授業のようです。
来週のコンコーニテストのグループ分けです。
分刻みスケジュールで進むので自分はどのグループに入るか、どんなことをやるのか確認しておいてくださいとのこと。
自分は・・・ グループ3か・・・。
さて、本日の講義内容です。
1.有酸素運動と無酸素運動の違い
2.無酸素性作業閾値 AT
3.心拍数と運動能力の関係
4.心拍計によるトレーニング
5.コンコーニテスト
6.心拍トレーニングによるフルマラソンに向けた練習計画
6−1 .LSDとマラニック
6−2. コントロールラン
6−3. 42km持続走
6−4. 5〜10kmのレペティション
7.市民ランナーとは
8.体温を上げないからだの仕組み
についてです。
このような理論的なことを知っていなくても速い人は速いんです。速く走ることに大事なのは強靭な筋肉とエネルギーとそのエネルギーを運搬する神経組織が発達し、良いフォームで走れればいいんです。
それでも、生まれてから何にもしなくても2時間代で走れるような天才は、別としても大抵の市民ランナーは、上のような身体にするためにはどんな練習をしたらいいの?と言うことになります。
その練習を間違いなく自分の実力に合わせて無理なく行うためにもこのような理屈を勉強して大変に役立ちました。
特に自分のようなサブスリーを目指したいと思っている人はこの佐藤先生の練習メニューは実践的でよいお手本になると思います。
1.有酸素運動と無酸素運動の違い
運動には下記の2つがあり、それぞれ消耗する栄養素が異なります。
運動強度 消費栄養素
無酸素運動 血中の炭水化物(糖質)を分解してエネルギーとする。
有酸素運動 体内の脂肪、糖質を分解してエネルギーとする。
人間がフルマラソンのように長時間運動を行う場合、有酸素運動に近い運動強度(スピード)で走らないと血中のグリコーゲンがなくなってバテてしまうのです。ちなみに体重が60kgの人がフルマラソンを走るときに必要なエネルギーは2500キロカロリー、血液中にあるエネルギーは最大1400キロカロリーですから残りをスペシャルドリンクやエイドで吸収するか体内の脂肪を使うしかないのです。
また、糖質を分解してグリコーゲンにするときに乳酸を複製してしまい、筋肉中に溜まってしまい動けなくなってしまうのです。
よって、有酸素運動の最速のスピードでフルマラソンを走ればその人の最高タイムが得られることになります。
2.無酸素性作業閾値 AT
有酸素運動の最高スピードとはどうすればみつかるのでしょうか?
そこで、無酸素性作業閾値AT(Anaerobic Threshold)という概念があります。
ランニングスピードを徐々に上げていくと血中乳酸濃度が上昇するところがあり、そのスピードをATと考えます。
3.心拍数と運動能力の関係
それぞれ違う実力の人たちが、5分/kmのペースで走ったときにどのくらいの心拍数になるか統計をとってみると、速く走れる人は、同じスピードで走った場合、比較的心拍数が低いことが言えるそうです。
ということは、心拍計で走る速度と心拍数の関係を測定しておくと、自分の能力が向上しているのか否かわかることになりますね。
ただし、夏の心拍数は、冬の心拍数より数拍/分くらいは高くなるので、同じ気候で走った場合を比較しないと誤るおそれがあります。
まあそうだよね。夏なんか歩くだけでも汗が出てきてはあはあ言っちゃう人もいるもんね。
ここで言いたいのは、心拍計によってのトレーニングを行うことによって、夏や冬など環境の変化に左右されずに、心肺機能への負荷を一定に保つトレーニングができるということです。
4.心拍計トレーニング
最大心拍数は、自分の発揮できる走力の最大値ということになり、その何割の強度で走るかによって、運動の目的が異なります。それを定量的に把握して、効率的かつ合理的に練習する方法が心拍計トレーニングです。
有酸素運動が健康目的的な運動で最大心拍数の6割から7割となり、競技目的の運動は最大心拍数の85%以上となり無酸素性運動となります。
ただし、これらの心拍数とトレーニング目的はあくまで目安であり、楽しく走るという大目的からは、逸脱した考え方になりがちとなるため、あまりこれにとらわれない方がよいでしょう。(by佐藤先生)
ランナーに必要な肉体的2大能力
1)最大酸素摂取量 VOT
2)無酸素性作業閾値 AT
この2つが大きければ速くマラソンを走れる人となります。VOTは天井と呼ばれ、20歳を大きく過ぎた我々には、もはや改善できることは考えない方が良いでしょう。ただし、ATは人によっては改善される余地は残っており、これを改善する最大心拍数の85%以上を超える練習を効果的に行えばタイム向上もありえるわけです。
5.コンコーニテスト
さて、下の図がコンコーニテストで得られるデータを横軸がスピードで縦軸が心拍数で表したものです。
コンコーニテストとはイタリアのコンコーニ博士らが発明したものでスピ−ドを上げていくとスピードと心拍数の関係に変曲点がみつかりその心拍数が無酸素性作業閾値ATであると発表したものです。(1982年)
コンコーニテストの結果
その後の研究や経験からATはこの変曲点より下のゾーンあることがいえそうでこの値を心拍性作業閾値(HRT)として区別するようにしました。HRTのスピードは経験的に10kmのレースペースに相当するといわれています。
6. 心拍トレーニングによるフルマラソンに向けた練習計画
一般的な心拍数毎に適したトレーニングメニューを表してみます。
目標心拍数 練習例
160拍/分以上 5〜10kmのレペティション
160拍/分(90%HRmax) 20〜40kmの持続走
145〜160拍/分 コントロールラン
145拍/分(80%HRmax) 起伏走
130〜145拍/分 マラニック
130拍/分(70%HRmax) LSD
130拍/分未満 ウオーキング
もちろん安静時の心拍数が45と低い人も居れば75と高い人もいるので、この目標心拍数はあくまで参考例です。ただし、フルマラソンをめざす練習をするならば1年間をかけて、上の練習メニューの下から順番にこなしていけば、かなりタイム向上も期待できるでしょう。
6−1 .LSDとマラニック
マラニックとLSDにマラニックをあわせて、佐藤先生が箕面山系を4時間10分で40kmを走ったときの心拍数の動きを紹介していただきました。
このくらいの事ができないと十分に長い距離を走りこんだと言えないんだなー。しかし、すごいです。ところどころ休みながら走っていられるのですが、いい練習の目標にさせてもらいます。
初めから3時間は120〜140拍/分に抑えて最後の1時間内に160拍/分を越える走りを2回こなしています。上級者のLSDですね。
マラニックとは、マラソンとピクニックの造語で写真のような登山道もありこのようなところでは、歩くだけでも心拍数がかなりあがり心肺機能の強化につながります。マラニックは、気分転換にもなって夏場にはよい心肺機能強化のトレーニングになります。
仲間を募って自分でもマラニクにいってみよう。
6−2. コントロールラン
6’30”/kmから30秒/km刻みに1kmづつペースを上げて5kmを走りこれを4回繰り返して20kmを走ります。
比較的に長い距離を走りながらきっちりと心拍数も上がる領域を織り込みながら走る練習です。
また、走りながらそれぞれのスピードを心拍数や汗や体のキツさを身体で憶えて、ペースを身につけられるのもこの練習の効果の一つです。
実際にやってみると結構面白いです。ずっと心拍計とにらみっこしながら約5分ごとにペースを変えていくので1〜2時間走ってもあきません。結構走りこみ時に取り入れる練習としてはいいかもしれないなー、って感じてます。
6−3. 42km持続走
レースペースに慣れるために42kmの持続走を行います。3時間9分で走ったときの心拍数の推移を見せていただきました。ほぼイーブンな心拍数が約160拍/分あたりで推移しています。先生は、2時間50分代で走れますのでレースペースに対して約90%の速度で走っています。
自分の目標はサブスリー2時間59分59秒で走れれば良いのです。それでも佐藤先生とほぼ同じ走力をつけるためには、いいお手本になります。
6−4. 5〜10kmのレペティション
2時間の間に2回の5km持続走を2回行います。レースペースかそれより10%ほど速いスピードの3’50分/kmで5kmを走っています。
1回目と2回目の間は20分間しっかり休みます。このレースペース走をレペティションとも呼びます。佐藤先生はインターバルより、こちらの方法を推薦していました。インターバルトレーニングは20歳を超えた人にとっては最大酸素摂取能力が高まることもなくなるので、精神的ダメージがつよいだけであまり効果がないというのが最近の専門家の意見です。
今の自分では、2回もできないでしょう。長距離を走る足が欲しいです。
7. 市民ランナーとは
さて、一応の講義は終わりフリーディスカッションの時間です。
ここで、佐藤先生は、市民ランナーとは何だと思いますか?と30人の生徒に問いかけられました。
「シロウト」ランナーとか「プロ」ではないとか似たような答えが出されましたが英語で適当な単語を見つけたと先生はおっしゃるのです。
それは「レクレーショナルランナー」と言う言葉で、生活の中でゆとりや余暇として走ることを楽しんでいる人のことを指すそうです。
自分の好きで走っている人、すっごく自由にとらわれないで走る人が「市民ランナー」だとすると気楽な気分になります。
ですから、ここまでの講義を全部否定するような形にもなりますがそんなにこだわることもなくもちろん速く走るために・・・何かしなくちゃいけないと言うこともないのです。
逆説的ですが、市民ランナーだから速く走ったらアカンということももちろんありません。
ですから、自由に型にはまらず楽しく自分らしいのランナーになれればよい。と佐藤先生はおっしゃっているような気がしました。
8.体温を上げないからだの仕組み
体温を上げないための体の仕組みには2つあります。
@ 汗をかいて気化熱にて体温を逃がす
A 体の表面に多くの血液を流すことにより表面から体温を放出しやすくする
正直言って私はAは知りませんでした。「60ヘー」は行きましたネ。酸素の供給だけではなく、体温を逃がすために余計に血液を逃がさなければならないため、心臓と言うポンプが忙しく動かなければならなくなるのです
「夏になぜバテるのですか?」という質問から、こんな話を先生からしていただきました。
9. こそっと教えてもらった番外編(ウォーミングアップ術)
1時間の講義を終え、あと1時間ありますから走りますかということでメンバー全員すばやく着替えてジョギング周回コースへ。一周約1.8kmを思い思いのペースで数周走りました。
さっき、のフリーディスカションで「夏にはなぜバテがくるのか?」と質問された人は、学生時代にラグビーをされていた私と同年代の人ということで早速、走りながら親睦会を始めた。
なんとポジションも私と同じ6番ということでビックリ。やっぱりジョギングとかが好きになるヤツでないと勤まらんポジションかも。とおもったりしました
さて、5周も走るとめっきり少なくなって最後尾でのんびり走っていた佐藤先生を発見、早速、走っていた間に考えた講義内容の疑問について尋ねました。
「走り始めの数分は無酸素運動になるのはなぜですか?」という質問です。答えは、その原因までを教えていただくことになりませんでしたが、少しでも止まってしまうと無酸素運動は発生するそうです。でも、少しの間に有酸素運動に変わるのであまり気にすることではない、というお答えを頂きました。
そこで、自分は、それではウォーミングアップはレースのどの位前に行うのが理想なのでしょうか?と話を若干切り変えました。というかより実践的な悩みを直接訊いてみたということです。
やっぱり、理想的には、レースの30分前からウオーミングアップを行ってそのままの流れでスタートするというのが理想だと言うことです。しかし、実際には一流選手、国際レースになるとレース前のウエアチェックなどがあり、これもできないそうです。市民ランナーの我々にとってみると1時間前から列に並ばせられる人気マラソンコース(青梅、福知山など)では到底実現不可能なうウォーミングアップ方法となります。
ここで、一緒に走っていた講習会メンバーの人が、ゴールドコーストマラソンは5分前に行っても一番前に陣取れたと言うのです。でもホノルルは一杯でしたとまた助言があり結局、日本人があまり行かない海外のマラソン大会は、先に行っていた理想的なウォーミングアップが実践可能と言うことになります。記録を狙うなら海外がベター?!ていうことかな-。
10. 追試
優秀な人ならいざ知らず、自分のようなちゃらんぽらんな人間なら大学と言うところは大方、追試をさせます。
この日、自分は、一日目に行うはずであった体力測定を行わなかったとして、その追試を行っていただきました。ムズカシイ学問の追試ならいざ知らず、こういう追試なら、何回でもOKと言いたいものです。
2日目の放課後にツレションした檀上君に三村研究室(楽しいジョギング教室を後援して下っている研究室)に連れて行ってもらい、まずは身長、体重、体脂肪率を測定しました。
身長170.3cm・・・起きたての朝に測れば171cmは行くんだが、19時過ぎの身長は縮んでこんなものです。
体重61kg ・・・前日は60kgだったが、体重計の違いによる誤差か?
体脂肪13.6%・・・前日測定は16%。明らかに体重測定の誤差と同じく計器による差が出ている。生まれてこの方、出たことがない13%代を見て、この体脂肪率はあてにならない?もしくは自分の体重計の値が多すぎる?あまり自分の体重計の値を絶対視するのはやめようと思ったのでした。
続いて、握力、長座体前屈を測定して、残りの反復ヨコ飛、立ち幅跳びなどは、後日グランドにて測定することになりました。
檀上君、本日もありがとう。また、お世話になります。
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